当サイトでは事業承継の進め方に悩む中小企業に向け、課題解決に役立つ情報を提供しています。
このページでは事業継承における証券会社の役割や支援内容、相談先としてどのように考えるべきかについてまとめました。
証券会社が事業承継に
力を入れている背景
日本では高齢化社会が進行し、さまざまな問題が指摘されるようになりました。
それと同時に相続資産市場の重要性も高まってきています。
野村資本市場研究所のレポート(2015年)によれば、2030年までに相続資産額が1,000兆円規模になると推計しています。
相続が発生すると多額の資産の移転が起こり、証券会社にとって大きな打撃となることも。
事業承継は贈与や相続の問題とも密接に関わっており、見過ごせない状況になっています。
視点を変えると、こうした相続に関わる資産移転は証券会社にとってビジネスチャンスにもなります。
中小企業の経営者が数多く顧客となっていますので、事業継承をサポートすることで取引継続につなげられます。
証券会社にとって、事業継承は単なる取引口座の移管だけに終わりません。
中小企業の経営者にとっては自社株の評価やM&Aも含め、事業承継に関わる悩みを抱えているので、証券会社はこうした問題を解決する機会に恵まれる可能性があると言うことになります。
証券会社が提供できるソリューション
一口に証券会社といっても規模やサポート体制が各社で異なり、それぞれ特色や事業承継に関わるソリューションにも違いがあります。
事業承継もいくつかのパターンがありますが、株式移動や専門家紹介などのサポートがメインです。
これが大和証券や野村證券といった大企業になると、サポートの幅がさらに広がります。 たとえば、下の画像は、大和証券が提供している事業承継に関するソリューションです。
グループ会社の中には証券会社だけでなくコンサルティングファームや不動産業務、プライベートエクイティまでを網羅する体制があることも。
また社外ネットワークとして税理士や弁護士、M&A取引会社とも数多くのつながりを持っていますので、事業承継に関わるさまざまな問題に対応できます。
事業承継には親族への承継、従業員への承継、第三者への承継がありますが、それぞれ解決すべき課題が異なります。
証券会社によっても得意・不得意分野がありますので、自社が求めるものを整理した上で相談することが大切です。
親族への承継
ここでは親族への承継での証券会社の活用について大和証券のソリューション例をもとに簡単にご紹介します。
親族への承継では自社株評価対策、納税資金対策、安定株主対策のサポートに対応しています。
中小企業の経営者にとっては、特に自社株評価に頭を悩ませる経営者が少なくありません。
非上場会社の場合は株価の客観的評価が難しく、それを行おうとすると相当の専門的知識が必須になるからです。
また自社株評価ができたとしても、それを事業承継にどのように活用するのかといったことは専門家に相談する必要があります。
証券会社は株式の取引のプロですので最善の方法は何なのかまでアドバイスが可能です。
自社株評価対策
自社株評価は状況に応じて類似業種比準価額方式、純資産価額方式、配当還元方式などにより計算されます。
証券会社では概算評価までは行いますが、正確な評価額の算出は税理士など専門家が行うことなります。
証券会社ではこうした評価を行った結果、自社株式が高額となってしまい事業承継の税負担が大きい場合に、移動方法の違いによるメリット・デメリットを説明したり最適な自社株の移動方法を提案するなどのサポートを行います。
証券会社は事業承継の相談先として最適か?
先ほどご説明したように、事業承継に関して証券会社はさまざまなソリューションを提供しています。
相談すればあらゆる問題を解決できるとも言えますが、その内容は証券会社によって変わるため、税理士などの専門家を紹介するだけの浅いお付き合いで終わるかもしれません。
またソリューションが充実している大手の証券会社は大口相手が基本ということも心得ておく必要があります。
ファイナンシャル・アドバイザリー業務として本格的に事業承継をサポートするのは成功報酬が期待できる大規模案件のみということもあります。
証券会社との取引量が少なければ相手にされない可能性もありますし、希望が大きな事業承継案件になると、専門機関や関係会社など関わる人数が増えてしまい、解決まで時間がかかってしまう可能性もあります。
証券会社は特色やスタイルなども各社異なりますので、まずは相談してみて反応や相性を見極めることが重要。
親身になって相談に応じてもらえないようであれば、別の相談先を検討してみてもよいでしょう。
【注目】最善の後継者を求める経営者のためのプラットフォームとは
M&Aでは相手先が決まってからでないと後継者がわからない。
事業承継ファンドでは株式譲渡後でないと人材会社から後継者を探せない。
サーチファンドでは若手の経営者としか出会えない。
それでは、オーナーは安心して会社を任せられません。
そこで生まれたのが、「日本プロ経営者協会」です。後継者の経験・資質・学歴などの条件をオーナーが挙げ、オーナーの条件に合う、かつその会社を経営したいプロフェッショナルが手を挙げる。
所属するプロ経営者の数は、2023年3月時点で1,500名。
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後継者が銀行保証に入る事は無く、ストックオプションなどの魅力的なインセンティブ設計を行うことで、後継者にもメリットがあるため、中小企業では招聘困難なスキルを持った後継者の招聘が可能となります。
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独自の技術や知見が、後継者不足によって失われることは、日本経済の衰退を加速させることに他なりません。
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