宮崎の会社売却・事業承継の現状
九州地方の南東部に位置する宮崎県は温暖な気候が特徴であり、産業面ではビニールハウスを利用した農作物の栽培が盛んです。また宮崎牛といったブランド牛の他、豚肉や鶏肉の産地としても国内有数のエリアになっています。
加えて、宮崎県では林業も盛んであり、特にスギ丸太の素材生産量に関しては平成3年からずっと全国1位をキープしている点は見逃せません。その他にも宮崎県では水産業や製造業も発展しており、観光業などと合わせて色々な事業が展開されています。
一方、宮崎県の人口と世帯数の推移に目を移すと、平成1年から世帯数は右肩上がりで増加しているものの、人口は右肩下がりを続けており、平成1年から令和5年の間でおよそ1割の人口減少が生じていることも重要です。また宮崎市や都城市、延岡市といったエリアに対して、その他の市町村の人口が明らかに少なくなっており、地域による人口格差などが顕著であることも無視できない状況でしょう。
事実、令和6年7月1日現在の人口推移を確認すると、前年比で人口増になっている市町村は都城市の1つのみであり、その他の市町村では全て人口減少という結果になっている状態です。
これらの現状も踏まえて、宮崎県内では60歳以上の経営者のおよそ60%以上が将来的な廃業を考えており、さらにその内の3割は後継者不在を理由として挙げています。
宮崎の会社売却・事業承継の動向
帝国データバンクが2023年12月に発表した、宮崎県内の企業に関する「後継者不在率」の動向調査を見ると、企業全体の半数に近い約48.1%の企業において「後継者不在」になっていることが認められました。
実際、上述したように後継者不在を理由として廃業を考えている企業経営者は少なくなく、経営自体は黒字であるのに継続困難となって廃業を選択する企業や経営者も珍しくありません。
ただし、現時点ではまだおよそ半数の企業が後継者不在や後継者不足といった課題を抱えているものの、実はコロナ禍以降の後継者不在率は改善傾向にあり、前年比では1.2%の改善が認められたことも重要です。
とはいえ、事業承継という面に注目してクローズアップすると、実は同族承継の割合は前年比4.1%も減少しており、代わりに内部昇格やM&Aによる事業承継が増加していることもポイントです。
つまり宮崎県ではコロナ禍などの影響もあり、同族承継を断念し、非同族への承継が促進されたことで、結果的に事業承継が促進され後継者問題が改善しているという流れが生じています。
宮崎の会社売却・事業承継先を探す手段
専門家へ相談する
宮崎県の企業の動向として、非同族を後継者とした内部昇格やM&Aによる事業承継が増加傾向にある点は無視できない要素でしょう。このようなケースでは、企業の経営者にとっての事業承継や会社売却の相談先として、現在の市場や様々な企業の動向について精通している専門家が考えられます。
具体的には事業再生コンサルタントや地元の企業と取引のある士業、またM&Aの仲介会社などが挙げられるでしょう。これらの専門家は日頃から様々な企業や経営者と取引を行っており、リアルタイムでそれぞれの会社の事情を把握している可能性が高くなります。
ただしプロの専門家へ相談する場合、どうしても営利目的によるサポートとなるため、状況によっては経営者として親身になってもらっていないと感じられるかも知れません。そのため専門家へ相談する際には、まずしっかりと相談先が信頼に値する相手であるかどうか確かめることが必要です。
公的機関や金融機関へ相談する
宮崎県事業承継引継ぎセンター
宮崎県では官民一体となって事業承継や会社の引き継ぎを支援しており、例えば「宮崎県事業承継引継ぎセンター」といった機関へ相談することも方法の1つです。
同センターは経済産業省や宮崎商工会議所などが連携して運営されており、事業承継や事業譲渡を検討している企業の経営者からの相談に乗りつつ、他社の株式を購入したいと考えている経営者や事業拡大を検討している事業者などとのマッチングも斡旋しています。
さらに後継者人材バンクとして魅力的な人材の確保に取り組んでいることも重要です。
なお、このようなセンターの他にも、地元の銀行や信用金庫といった金融機関も企業の経営状況に詳しく事業承継の相談先として魅力的です。
宮崎市事業バトンタッチ支援
宮崎市では地元企業の廃業や事業縮小による地域経済の脆弱化を回避するため、積極的に雇用創出や経済発展への取り組みを行っており、その一環として「宮崎市事業バトンタッチ支援」という事業を実施しています。
同事業は宮崎市内にある中小企業を対象として、事業承継やM&Aといった予定を検討している場合や実際に事業承継が行われた時などに、会社を譲渡する側と譲り受ける側の双方へそれぞれ補助金が支払われるというものです。
事業承継を検討している場合、こういった補助金や助成金についてチェックすることも大切です。
理想の後継者を求める経営者のためのプラットフォーム
後継者を探す方法はM&Aや事業承継ファンド、サーチファンドなどがあります。しかし、M&Aは相手先が決まらないと後継者が分からない、事業承継ファンドは株式譲渡後にしか後継者を探せない、そしてサーチファンドは若手の経営者しかさがせないといったマイナス面も気になるでしょう。事業に合った経営者に事業を承継したいと考えた時、既存のシステムでは無理があるかもしれません。
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