熊本の会社売却・事業承継の現状
熊本県では2024年8月時点の県内人口が1,697,263人とされ、およそ170万人の人々が暮らしています。一方、2012年に熊本市が政令指定都市として指定された頃から県内全体では人口減少が続いており、後継者がいないといった企業や経営者にとっての課題を無視することもできなくなっています。
なお、熊本県は県庁所在地の熊本市に人口の大半が集中しており、熊本市は福岡市や北九州市に次いで九州エリア第3位の規模を誇っていることもポイントです。
そもそも熊本県は農業産出額が全国5位の農業県でしたが、さらに半導体受託生産会社「TSMC」の進出といった影響で半導体分野や電子機器分野での成長も期待されており、関連産業を含めれば数千人規模の雇用創出が見込まれているという点も無視できません。そのため、熊本県では企業誘致や人口増加に向けて積極的な取り組みを行っており、人材不足や後継者問題を抱える企業経営者にとっても様々な可能性を考えられることは重要といえるでしょう。
その他にも2023年3月に阿蘇くまもと空港がリニューアルオープンされた影響から、熊本県は日本とアジアを結ぶ拠点として将来的な発展が期待されていることも要チェックです。
熊本の会社売却・事業承継の動向
熊本県における企業の経営状態を見た場合、休廃業や会社の解散といった件数が減少しており、2023年の帝国データバンクの調査によれば同年の休廃業・解散件数は572件で前年比で2.4%減少した点は見逃せません。
しかし前年比の数字で見れば好転しているものの、全体で見れば黒字倒産や黒字廃業の件数が過去最低の45.5%に達しており、依然として後継者不足などの経営課題によって事業継続を断念しなければならないケースがあることも事実です。
また、休廃業を選択した経営者の平均年齢は71.6歳と過去最高を更新しており、このまま後継者が見つからなければますます経営者の高齢化や黒字倒産といった問題が拡大していくことも予想されるでしょう。
なお、TSMCの話題を含めて好景気を期待できる要素が存在することは事実であるものの、業種別で見た場合の休廃業・解散件数は特に「建設」・「小売」・「運輸・通信」の3業種で増加している点を無視できません。つまり分野や業種による差についても解決すべき課題となっています。
熊本の会社売却・事業承継先を探す手段
専門家へ相談する
熊本において会社の売却や事業の譲渡といった選択を検討する際、まず事業再生コンサルタントなど民間の専門家へ相談することができます。
熊本県はそもそも農業県として大きな存在価値を持っており、さらに近年ではTSMCの進出を始めとして日本国内でも大きな注目を集めるエリアであることは事実です。反面、人口減少や後継者不足、経営者の高齢化といった問題も依然として存在しており、専門家やコンサルティング会社などにとっても一層に多角的な検討やシミュレーションが重要になっていることは重要といえるでしょう。
そのため経営者の中には「あきらめ廃業」だけでなく「前向き廃業」といった選択肢を決めたケースも存在しており、ビジネスパーソンとしての将来像や個人としてのライフプランも含めて、信頼できる専門家に相談して考えることが大切です。
相談先となる専門家は?
熊本エリアの会社売却や事業承継の相談先になる専門家としては、例えば以下のような業種が挙げられるでしょう。
- 事業再生コンサルタント
- M&A仲介会社
- 公認会計士
- 弁護士
- 商工会議所
ただし、いずれの専門家へ相談するとしても、まず本当にそれらが自社の相談相手として相応しいのか、対応している業種やこれまでの実績についてきちんとチェックすることが欠かせません。
公的機関や金融機関へ相談する
熊本県事業承継・引継ぎ支援センター
熊本県では官民一体となって地元企業の発展や企業誘致などを推進しており、積極的な雇用創出やビジネスチャンスの拡大に努めています。そのため、新しいビジネスチャンスを目指した前向きな事業承継や会社の売却についても公的機関によるサポートが行われており、例えば「熊本県事業承継・引継ぎ支援センター」といった組織へ相談することも1つの方法です。
同センターでは、例えば後継者がいないことで会社の将来を不安視している経営者や、従業員を後継者として検討している経営者、また会社を他者へ引き渡したり、他者から会社を引き受けたりしたいと考えている人のために、後継者人材バンクなども活用しながら具体的なアドバイスを行っています。
事業承継マッチング
熊本県では公的事業として、商工団体が市町村自治体と共同してオープンネームの事業承継マッチングイベントを開催する際の費用助成を行っており、経営者としてこのようなイベントへ参加してみることもおすすめです。
金融機関など
地元の銀行や信用金庫は地域経済に根ざした経営が行われており、地元企業の事情や悩みについても幅広く把握しています。そのため、どこに相談すれば良いのか分からない場合、まずは取引先の金融機関へ相談してみることも有効でしょう。
理想の後継者を求める経営者のためのプラットフォーム
後継者を探す方法はM&Aや事業承継ファンド、サーチファンドなどがあります。しかし、M&Aは相手先が決まらないと後継者が分からない、事業承継ファンドは株式譲渡後にしか後継者を探せない、そしてサーチファンドは若手の経営者しかさがせないといったマイナス面も気になるでしょう。事業に合った経営者に事業を承継したいと考えた時、既存のシステムでは無理があるかもしれません。
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