大阪の会社売却・事業承継の現状
令和2年国勢調査によると、大阪府の人口は約883.7万人で全国3位の人口を誇る地域です。15歳未満の人口比率は11.7%、15~64歳は60.7%、65歳以上の人口が27.6%でした。大阪府の総生産は、約40兆円。人口と同じく全国3位です。
業種でみると「卸売、小売業」が最も多く、事業所数の4分の1を占めています。大阪全体の事業所のうち、個人経営の事業所は約38%、会社の事業所が55%という割合です。従業員数は、大阪の中でもエリアに特徴があり、大阪市地域では卸売、小売業、情報通信業に従事する人の割合が高く、東大阪地域では製造業、南河内地域では医療・福祉の割合が高くなっています。
阪神工業地帯や堺泉北臨海工業地帯を抱える大阪では、独自の技術で事業展開している企業が多く、日本国内で評価されている中小企業はもちろん、大きな世界シェアを占めるような企業も活動しています。支店も多いですが、パナソニック、日新食品ホールディングス、タイガー魔法瓶など有名な企業の本社も多い西日本の中心都市です。
しかし、大阪府内総生産の全国シェアは減少傾向というのが現状です。大阪府の経済を支えてきた「繊維」「家電」「一般機械」の事業停滞が原因と言われています。従来の事業が停滞する中、情報通信業など新たな産業の成長をサポートする体制がなかったことが、停滞が解消されない理由のひとつです。
大阪では、2025年に万博の開催が予定されています。海外からも注目されるイベントを通して、産業の発展が期待されているのが日本の産業における大阪の位置と言えるでしょう。
大阪の会社売却・事業承継の動向
2020年の大阪府内企業の休廃業・解散件数は3649件でした。近畿地方の50%を占めています。休廃業・解散の主な原因は、やはり後継者問題です。休廃業・解散した企業のうち黒字企業が58%もあります。経営難での休廃業・解散ではないことが分かるでしょう。さらに経営者の年齢が70歳以上の企業は59.6%。後継者が決まらないまま、経営者が引退の年齢を迎え、黒字なのに廃業を選んだことが伺えます。
このような後継者問題の解決のために、大阪府ではM&Aが盛んにおこなわれています。2020年の大阪府内企業がかかわるM&A件数は、384件に上っています。
たとえば、鳥貴族ホールディングスによるダイキチシステムのM&AやJ-STAR株式会社のブイアイエスのM&A、モリテックスチールによる中川産業とサンドのM&Aなどがあります。
商工会・商工会議所による支援の実態とは?
労働集約的に仕事をする仲介会社は最低フィーが会社によって異なりますが、1000万円~2500万円程あるので、 株価が1億円(営業利益2千万円で現預金-借入=0位の会社)等の企業は条件が合わず、仲介会社は仲介をしてくれないので、基本的に商工会等に頼むほか無くなってしまいます。
引継ぎ支援センターの実態とは?
商工会、商工会議所の役割に似ています。実際に上記にお願いすべき社長さんの特徴、企業の特徴、お悩みなど、自身が引退して、節税を一切しない時の営業利益が3000万円程度よりも下ですと仲介会社が動いてくれない可能性が高いです。
そういった会社は消去法的に引継ぎ支援センターに相談する形になります。ただ、その場合社員にはほぼインセンティブが無い為、あまり気合を入れてやってはくれないと思っていた方が良いかもしれません。 役所的な仕事の仕方になってしまう可能性があります。
大阪の会社売却・事業承継先を探す手段
専門家へ相談する
会社売却・事業承継先を探すときは、専門家への相談が近道です。専門家として事業承継をサポートしてくれるのは、M&A仲介会社などがあります。
M&Aは、法務的な手続きや税務処理、相手企業の選定といった幅広い領域の専門知識がなければ上手くいきません。経営者は、自社事業の分野の専門知識は深くても、事業承継の専門知識がないことがほとんどです。M&Aに必要な知識と経験を持っている専門家に相談することは、スムーズな事業承継の有効な手段と言えます。
M&A仲介業者は、売り手企業と買い手企業の間に立って、中立的な立場で成立をサポートする会社です。後継者探しに悩んでいるなら、M&Aの経験が豊富な専門家に相談してみるといいでしょう。
公的機関や金融機関へ相談する
M&A仲介会社の他にも、公的機関や金融機関で事業承継の相談に対応しています。
国が運営しているのは「大阪府よろず支援拠点」です。中小企業・小規模事業者・NPO法人などを支援しています。事業承継はもちろん、売上拡大や人材採用などのさまざまな経営課題について相談可能です。
「大阪事業承継・引継ぎ支援センター」は、M&Aを専門に、無料でアドバイスしてくれます。M&Aに詳しい専門家が事業承継の悩み相談に乗ってくれるだけではなく、大阪府後継者バンクの活用で、後継者不在の事業者と創業希望者のマッチングを行っています。
「東大阪商工会議所」では、後継者問題や株式に関する事業承継の相談に対応可能です。専門のコーディネーターが在籍しています。
「北大阪商工会議所」は、日本政策金融公庫の事業承継マッチング支援データベースを活用し、事業を譲り受けたい事業者と事業を譲り渡したい事業者のマッチング支援をしています。
商工会議所はどちらも、電話相談が可能です。
金融機関では、「大阪信用金庫」がM&Aや事業承継の相談を受け付けています。全国の信用金庫のネットワークを活かしたアドバイスです。
以上でご紹介した相談先のほかにも、弁護士や公認会計士、税理士、司法書士などが事業承継の相談に応じていることもあります。ただし士業の場合、必ずしも事業承継が得意分野とは限らないので、相談する場合には過去の実績を確認してみることが大切です。
また近年では、従来とは異なるタイプの事業承継支援を行う一般社団法人日本プロ経営者協会も注目されています。相談先の1つとして念頭に置いておきましょう。
理想の後継者を求める経営者のためのプラットフォーム
後継者不在問題に直面している岐阜の経営者には、ご紹介した通り、たくさんの相談窓口があります。一人で問題を抱えず、まずは外部に相談するなどの積極的なアクションを取っていきましょう。
ただし、いずれかの窓口から事業承継の候補者が見つかったとしても、その候補者が自社の理念や方針、文化をよく理解できるかどうかは分かりません。もとより、自社を成長させるスキルや経験があるかどうかも未知数です。適任と信じて招いた後継者が、逆に事業や従業員の混乱を招いてしまう事態は避けたいものです。
そのような事態に陥るリスクを抑えるため、よりふさわしい後継者とのマッチングの場を提供しているのが一般社団法人日本プロ経営者協会。後継者として求める条件を詳細に提示し、それらの条件に適したプロ経営者が手を挙げる事業承継のプラットフォームです。
2023年現在、同協会に所属しているプロ経営者は約1,500名。後継者不在というピンチをチャンスに変える場として、全国多くの現役経営者から注目を集めています。
理想の後継者を求める経営者のためのプラットフォーム
後継者を探す方法はM&Aや事業承継ファンド、サーチファンドなどがあります。しかし、M&Aは相手先が決まらないと後継者が分からない、事業承継ファンドは株式譲渡後にしか後継者を探せない、そしてサーチファンドは若手の経営者しかさがせないといったマイナス面も気になるでしょう。事業に合った経営者に事業を承継したいと考えた時、既存のシステムでは無理があるかもしれません。
既存の後継者探しに満足できない経営者のためにサービスを提供しているのが「日本プロ経営者協会」です。事業を承継したい経営者が後継者の経験・資質・学歴といった条件を提示できます。オーナーの条件に合い、その会社の経営をしたい経営者が手を挙げてくれるので、安心して事業を引き渡せます。事業に合う後継者を探しやすいプラットフォームです。
「後継者がいない」という理由で、黒字廃業を選ぶ中小企業経営者が、全廃業のうち、3割を超えています。
独自の技術や知見が、後継者不足によって失われることは、日本経済の衰退を加速させることに他なりません。
その解決に、コンテンツという形で貢献するために生まれたメディアです。