40代という、経営者としては一番脂が乗っている時期に事業承継を決意した社長がいました。
なぜその決断に至ったのか、後継者はどうやって探したのか…。
その経緯を、アイアール株式会社の前代表・明田氏に取材をしました。
ぜひ参考にしてください。
40代で引き際を考えたその理由とは
- 2016年度 売上高:4.5億円 社員数:100名
- 2017年度 売上高:7億円 社員数:170名
- 2018年度 売上高:15億円 社員数:330名
- 2019年度 売上高:21億円 社員数:343名
- 2020年度 売上高:29億円 社員数:501名
- 2021年度 売上高:47億円 社員数:859名
上記は、私が立ち上げた総合建設工事事業を手がけるアイアール株式会社の売上高と社員数の推移です。
数字だけ見ると、非常に順調で、私も40代後半。
これから経営者としても、より活躍できる年代と考えられていて「引退を考えるのは早くない?」と言われてもおかしくないと思います。
しかし、会社が大きくなってくるにつれ、自分は会社を拡大していくことよりも、ゼロからイチを生み出すことが得意なんだなとヒシヒシと感じるようになりました。
会社をこれ以上大きくするには、当然右腕・左腕という存在が必要になってきますが、そういった人材を育てることが得意な方、会社をスケールさせることができる方に任せたいと思いました。
知人に「会社を買ってくれないか」と相談
まず、もともと知り合いだった小野さんに相談をしました。
マラトンキャピタルパートナーズの代表として、多彩な投資経験がある小野さんに、率直に「会社買ってくれない?」と(笑)。
そこから小野さんに色々と相談に乗っていただき、一番の懸念だった後継者を探していただくことになりました。
後継者に対する要望は色々あったのですが、スキルや経験に関しては、小野さんが連れてくる人材に間違いはないと思っていたので、私自身は人柄を重視しました。
アイアールは若い社員が多いので、社員とうまくやっていけそうな、威圧的な雰囲気がない人。
そんな人がいいと言っていました。
左から、明田氏と小野氏
社員ともすぐに打ち解けてくれた
※左から明田顧問、大山社長、社員の皆様
大山社長との初対面は、最初は強面だと思ったのですが、話すと優しくて思慮深い人だということがわかったので、すぐに好きになりました。
受入れ先との契約後、混乱を防ぐ為、専務以外の幹部には実行当日まで伝えなかったのですが、大山社長を紹介した日に、会社で飲みに行き、若手社員も大山社長と話しているうちに、笑顔が増えていく姿を見て、「ああ、間違ってなかったな」と思いました。
会社の売り時を見誤らない
オーナーにアドバイスしたいのは、一つは絶好調時に後継者問題が頭を過ぎった時=間違いなく売り時だということ。
競業避止義務についてや、その後の会社との関わり方などはしっかり話し合いが必要ですし、金額の折り合いも大事です(笑)。
私の場合、小野さんという本当に強力な相談相手がいましたが、いない場合は間違えた選択をしていた可能性も大いにあります。
なので、二つ目のアドバイスは、信頼できる相談相手を見つけることです。
私は、けして売り時や引退が早かったとは思っておらず、ベストタイミングだったと、心の底から感じています。
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