北海道の会社売却・事業承継の現状
2021年の北海道農業産出額は1超3,108億円で、全国の約14%を占めています。食料品、木材・木製品、パルプ・紙・紙加工品、石油・石炭製品などの産業に強いことが北海道の特徴です。しかし、総生産は1996年をピークに低迷が続いています。
高齢化も深刻です。1990年における道内の社長平均年齢は54.3歳でした。この年からずっと上昇を続けており、2021年には61.1歳になっています。社長の年代別構成比でも、60歳以上の社長数が60歳未満の社長数を上回っているのが現状です。特に小規模な企業で高齢化が進んでいます。社長高齢化の要因が単に経営活動にアクティブな高齢者が多いだけなら問題ないかもしれません。しかし、道内の社長高齢化の原因は、後継者の不在と考えられています。
帝国データバンクの後継者不在率調査によると、北海道の後継者不在率は68.1%でした。2022年時点で、全国で4番目に不在率が高い都道府県です。
また、2021年における北海道の事業所の休廃業・解散件数は2104件で全体の3.06%でした。このうち、58.4%の企業が黒字のまま休廃業・解散に至っています。資産超過の状態で休廃業・解散に至った企業については、67.6%にも上ります。経営者が引退するタイミングでも後継者が見つからず、休廃業・解散に至ったことが大きな要因と考えられており、今後も経営にはゆとりのある企業の休廃業が懸念事項です。
また、後継者不足だけではなく、従業員不足も顕著です。道内企業では、正規社員・非正規社員とも不足している傾向が続いています。経営者と同時に労働者の不足も深刻な課題です。
北海道の会社売却・事業承継の動向
北海道では、社長の高齢化が進み、後継者が見つからないまま中小企業の休廃業が増加しています。この課題を解消すべく、公的機関をはじめ、事業承継を促進する支援が用意されている点は注目ポイントと言えるでしょう。面積が広いことから、拠点・支店が各地域に配置されています。都市部へ出ることなく、関係機関のネットワークにアクセスすることが可能です。
こうした取り組みを受け、2020年の道内の上場企業が関連するM&Aは、13件ありました。この件数は、過去10年で最多です。M&Aが活発化してきていると言えるでしょう。
2020年5月には、北海印刷が苫小牧方面の拠点獲得を目的に、企画・デザイン制作や紙媒体の印刷を手掛ける清文堂印刷の株式を取得しました。他にも、サツキャリによる推奨販売事業のM&AやミナトホールディングスによるエクスプローラのM&Aといった事例があります。
商工会・商工会議所による支援の実態とは?
労働集約的に仕事をする仲介会社は最低フィーが会社によって異なりますが、1000万円~2500万円程あるので、 株価が1億円(営業利益2千万円で現預金-借入=0位の会社)等の企業は条件が合わず、仲介会社は仲介をしてくれないので、基本的に商工会等に頼むほか無くなってしまいます。
引継ぎ支援センターの実態とは?
商工会、商工会議所の役割に似ています。実際に上記にお願いすべき社長さんの特徴、企業の特徴、お悩みなど、自身が引退して、節税を一切しない時の営業利益が3000万円程度よりも下ですと仲介会社が動いてくれない可能性が高いです。
そういった会社は消去法的に引継ぎ支援センターに相談する形になります。ただ、その場合社員にはほぼインセンティブが無い為、あまり気合を入れてやってはくれないと思っていた方が良いかもしれません。 役所的な仕事の仕方になってしまう可能性があります。
北海道の会社売却・事業承継先を探す手段
専門家へ相談する
北海道でM&Aや会社売却をする際、有効な手段となるのが、M&A仲介会社など専門家への相談です。M&Aを行う際は、複雑な法務手続きや税務処理を行わなければいけません。事業承継に慣れていなければ戸惑う手続きが多数。事業の継続性や従業員のことを考えると、相手の選定も重要です。M&A仲介会社は、幅広い専門知識と経験を持つアドバイザーがM&Aをサポートしてくれます。
M&A仲介会社のメリットは、中立的な立場で、売り手企業と買い手企業の間にたってくれるということです。どちらかに偏った立場ではないため、公平な取引を導いてくれます。
M&A仲介会社によって得意な分野が異なるため、自社に合った会社を見つけることが大切です。
公的機関や金融機関へ相談する
北海道では、M&A仲介会社の他に、公的機関や金融機関でも事業承継の相談に対応しています。
「北海道事業承継・引継ぎ支援センター」は、札幌商工会議所が国から委託を受けて運営している国の機関です。事業活動全般に支援を行っており、事業承継の相談にも対応しています。親族内承継や役員・従業員承継、第三者への譲渡も支援対象です。行政機関や金融機関、法務、税務などの専門家とのネットワークも持っています。また、道内8カ所の商工会議所にはサテライトが設置されています。
「北海道よろず支援拠点」は、北海道中小企業総合支援センターが国から委託をうけて行っている経営相談所です。札幌本部と函館、帯広、釧路、旭川、北見、室蘭に支部があります。中小企業・小規模事業者の相談に無料で対応。無料相談に回数制限はありません。オンラインや電話での相談も可能です。
「北海道商工会議所連合会」は、道内42カ所に設置されている商工会議所で構成されています。中小企業振興から環境対策など、さまざまな事業活動をおこなっている組織です。金融相談や記帳指導、経営診断などの経営相談サービスを提供しています。
「北海道信用保証協会」は、中小企業・小規模事業者が金融機関から融資を受ける際に保証人になる機関です。北海道では、札幌市の本店他、9カ所に支店があります。
「札幌市事業承継マッチングポータルサイト」は、事業承継を考えている経営者が検討すべきサービスのひとつと言えるでしょう。事業の譲渡に関心がある方を対象に、譲渡を希望する企業の情報を提供しています。交渉に入ると、北海道事業承継・引継ぎ支援センターに引き継がれ、サポートを受けられます。
以上でご紹介した相談先のほかにも、弁護士や公認会計士、税理士、司法書士などが事業承継の相談に応じていることもあります。ただし士業の場合、必ずしも事業承継が得意分野とは限らないので、相談する場合には過去の実績を確認してみることが大切です。
また近年では、従来とは異なるタイプの事業承継支援を行う一般社団法人日本プロ経営者協会も注目されています。相談先の1つとして念頭に置いておきましょう。
北海道の事業承継を支援する取り組み
北海道事業承継税制の概要
事業承継税制は、中小企業の後継者が株式等を贈与または相続する際に、贈与税や相続税の納税を猶予・免除する制度です。一定の条件を満たすことで、事業承継時の税負担を軽減できます。
- 適用条件:
- 後継者が代表者として経営を継続する。
- 雇用の8割以上を5年間維持する。
- 手続き:
- 特例承継計画の提出(2026年3月31日まで)。
- 贈与・相続時の正式な認定申請。
詳細な条件や手続きについては、北海道庁の公式サイトを参照してください。
北海道後継者人材バンク
後継者不在の事業者と、創業希望者や移住希望者をマッチングする公的サービスです。無料で利用でき、事業引継ぎ後もフォローアップを行うため、安心して相談できます。
- 主な特徴:
- 守秘義務を徹底した情報管理。
- 登録からマッチング、交渉、契約支援までの一貫したサービス。
- 活用方法:
- 登録を行い、アドバイザーとの相談を経てマッチングが進む。
事業承継サポートネットワーク
北海道内6地域に設置されたネットワークが、中小企業の事業承継を包括的に支援します。
- 参加機関:
- 北海道、商工会議所連合会、金融機関など。
- 支援内容:
- 事業承継計画の策定支援。
- 専門家の紹介や派遣。
理想の後継者を求める経営者のためのプラットフォーム
後継者不在問題に直面している岐阜の経営者には、ご紹介した通り、たくさんの相談窓口があります。一人で問題を抱えず、まずは外部に相談するなどの積極的なアクションを取っていきましょう。
ただし、いずれかの窓口から事業承継の候補者が見つかったとしても、その候補者が自社の理念や方針、文化をよく理解できるかどうかは分かりません。もとより、自社を成長させるスキルや経験があるかどうかも未知数です。適任と信じて招いた後継者が、逆に事業や従業員の混乱を招いてしまう事態は避けたいものです。
そのような事態に陥るリスクを抑えるため、よりふさわしい後継者とのマッチングの場を提供しているのが一般社団法人日本プロ経営者協会。後継者として求める条件を詳細に提示し、それらの条件に適したプロ経営者が手を挙げる事業承継のプラットフォームです。
2023年現在、同協会に所属しているプロ経営者は約1,500名。後継者不在というピンチをチャンスに変える場として、全国多くの現役経営者から注目を集めています。
後継者を見つけた実際の事例
このサイトでは、日本プロ経営者協会を通じて新たな経営者を見つけた事例を紹介しています。M&Aや親族間の継承以外の新たな選択肢として、このサイトでは特集して紹介。
「理想のオーナーと出会えた」と話す前代表はどのようにして後継者を見つけたのか?気になる方は是非覗いてみてください。
理想の後継者を求める経営者のためのプラットフォーム
後継者を探す手段にはM&Aや事業承継ファンド、サーチファンドなどがあります。しかし、M&Aは相手先が決まるまで誰が後継者になるか分からないなど、それぞれに不確定要素が多いことがデメリットです。経営者探しに不安が残ってしまいます。
そんな不安を解消するための後継者探しプラットフォームを提供しているのが「日本プロ経営者協会」です。オーナーが後継者の経験・資質・学歴といった条件を提示できるところに大きな特徴があります。その会社の経営に前向きで、条件に合う経営者が手を挙げてくれます。事業に合う後継者を探しやすいプラットフォームです。
「後継者がいない」という理由で、黒字廃業を選ぶ中小企業経営者が、全廃業のうち、3割を超えています。
独自の技術や知見が、後継者不足によって失われることは、日本経済の衰退を加速させることに他なりません。
その解決に、コンテンツという形で貢献するために生まれたメディアです。